突然と必然

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良いことも悪いことも、大抵の出来事は突然起きる。

そういう時に対応するためには知識が要るのだということ。

それを先日思い知らされた。

駅から家に向かういつもの道。

盤目状になっている住宅街の中を通り抜けるその道には十字路がたくさんある。

車の通行量は少ないといえど、結構なスピードを出して走っていく車もちらほらといて、危ないなぁと思っていた。

そんな矢先のことだった。

私の隣を走り抜けていくバイク。

結構なスピードが出ていた。

その先の十字路に差し掛かったその時、

「バーーーーン!」

という音がした。

文字に表すとどうしても陳腐で軽い感じになってしまうのだけれど、

鉄の塊を地面に落とすような、それでいて何か爆発するような、

そんな重苦しい音がした。

私の目にはふわりと浮かび上がって、まるで音も無いように地面に落ちた人と

火花を散らしながら道路を滑っていくバイクが見えた。

 

直感的に、

 

「まずい」

 

と思った。

 

「人がケガをしたり死んでしまったのではないか」という「まずい」ではなく「面倒なことに巻き込まれてしまったぞ」という「まずい」。

自分はこういうところが薄情で、よろしくないところだと思う。

普段は、自分は落ち着きのある人間だと思ってたのだけれど、事故の現場を目の前にしてしまうとパニックになっていた。

 

「見なかったふりはできないだろうか」

 

なんて考えて、この期に及んで本当に自分はひどい人間だと思った。

けど、ひとまず見なかったふりはできそうもないのであきらめて、思考を切り替えた。

 

「救急車を呼ばなくちゃ」

「バイクの人は無事なのか」

 

駆け寄ってみると、バイクを運転していた人はもう立ち上がっていた。

 

わたしは

「大丈夫ですか?救急車お呼びしましょうか?」

と尋ねたのだけど、

「いえ、結構です、すいません」

という。

車を運転していた人も降りてきて、お互い謝り通しだ。

 

なんとなく、ふたりとも大事にしたくないのだろうなという感じだった。

 

けれども、結構大きい音がしたからか、野次馬の人が集まってきた。

やがて誰かが呼んだのだろう、パトカーがやってきた。

 

わたしも事故の様子を聞かれたのだけど、正直にちゃんと見ていなかったことを伝えたらすぐ解放された。

その間20分くらいだろうか。

 

運転手さんたちと警察の人が話し合っていて、運転手さんたちはそれぞれ電話をしながら。どんどんと話が進んでいった。

 

ただ、そのあと何も用事がなかったのでそのあとの様子をぼーっと見ていた。

 

やがてレッカーでグシャっとなっていたバイクが運ばれていき、そこに新しいバイクも来た。

1時間ちょっとで、事故現場は何もなかったかのようになっていた。

 

わたしならどうしただろう?もっとあたふたしてしまっていたと思う。

 


交通事故を起こしてしまったときの対処法 | 自動車トラブルマニュアル

 

運転していた二人は、この通りに行動できていたと思う。

新しいバイクがすぐ来たのも、こういうサービスを使ったのだと思う。


保険事故代車のご案内|法人のお客様|レンタルバイクジャパン

 

事故対応は免許を取ったときになんとな~く習った気がするけれど、レンタカーとして代車を借りれることなんて調べてみて初めて知った。

そういえばあそこに届いたバイクの受け渡しもレンタルがどうこう言ってた気がする。

事故を起こしてパニックにならずに必要な知識を出せるのは、普通にすごいって思った。

まあ、事故を起こさないのが一番だけど。

 

私だったら何にもわからないなぁ。

警察の人が来るまで、いや、来ても、ずっとあたふたあたふたしていたと思う。

 

備えあれば患いなし、とはよく言ったものだと思う。

何も知らないということは、突然の不幸に対して無防備だということだ。

しっかりと知識をつけておきたい。

 

そういうことを思えた点では、事故に遭遇したことも無駄ではなかったのかなと思う。