弟と背骨

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休日を使って、鴨居で一人暮らしをしている弟の家に遊びに行ってきた。

引っ越しの手伝いをしてから初めて遊びに行くことになった。

あれが3月のことだったから、時間が経つのは早いものだなと思う。

さすがに3か月近く生活していると、その部屋にも生活感というものが出てくる。

引っ越した当初はやたらとスカスカとしていた弟の部屋も、今では物が一通り揃い、今では人が住んでいる部屋、と言う感じになっていた。

弟が淹れてくれたお茶を飲みながら世間話をする。

「何か困ってることとか、ない?」

と聞いたら、弟はしばし考えたあと、

「あんまり眠れないんだよね……」

と言った。

「ん?さみしいの?ひとりで寝るのがさみしいの?」

「そういうわけじゃないんだけどさぁ……」

「ん?お姉ちゃんと一緒に寝る?いいぞ!おいで!」

そう言いながら弟のベッドに寝転ぶ。

と、同時に背中に走る鈍痛。

「あ痛!」

と思わず声を出してしまった。

ベッドの骨が浮いている。それが寝転ぶと背中にゴツゴツと当たる。

どれだけ安いベッドを使っているんだ我が弟は……。

「あんたねぇ……こりゃ眠れないわけだよ。背中とか痛くならないの?」

「うーん、あんまり?」

鈍感なのが弟のいいところでもあり、悪いところでもあると思う。

でも流石にベッドに直接せんべい布団を敷いて寝ているのは鈍感な弟でも疲れが溜まってしまうだろう。

半額出してあげるから、と言ってマットレスを買わせることにした。

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ここで半額、と言わずに全額出してあげられるようなお姉ちゃんになりたいとは思うんだけど、まあなかなか厳しいよね。

情けないお姉ちゃんではあるけど、弟には強く育ってほしいと思う。