トミちゃん

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わたしの友達に「トミちゃん」という子がいる。

トミちゃんは今年の3月に高校を卒業する。

20代も半ばを過ぎたわたしとどうして友達なのかというと、高校の友達の妹なのだ。

わたしと8歳も離れていたトミちゃんも今年高校卒業なのかと思うと感慨深い。

わたしがまだ高校生だった頃、トミちゃんはまだ10歳。

ランドセルを背負っていた。

トミちゃんはませたところのある子で、わたしたちの会話に入りたがった。

大人の会話ってやつだ。

もっとも、わたしたちにだって大人の会話なんてできていなかったのだけど。

 

わたしがトミちゃんと友達になれるな、と思ったのは、努力家だったからだ。

女の子というのは大概、空気を壊さないための努力というものを惜しまないと思うのだけど、トミちゃんはそれがずば抜けていたように思う。

わたし達の会話でわからないことがあっても、次に会った時にはその言葉を使いこなしていた。

それでいて、嫌な感じがまったくしない。

甘え上手ともちょっと違うんだけど、人として尊重してあげなくちゃいけないな、という気持ちにさせてくれる。

 

たとえば、わたしと高校の友人でトミちゃんをメイクしてあげたことがあった。

メイクをしてあげたといっても、小さい子を人形替わりに遊ぶような感じではなくて、いたって真面目に。

トミちゃんを喜ばせてあげるために。

10歳のトミちゃんを17歳くらいにはしてあげられたと思う。

するとトミちゃんはものすごくキラキラした笑みで私たちにいっぱいいっぱい感謝の言葉をくれた。

人に対して素直になるってことが大事なのだという、当たり前のことを8歳下のトミちゃんに教えてもらったと思う。

 

最近はトミちゃんに会えていなかったので久々にメールをした。

暖かくなって桜が咲き始めたのを見て、そういえばどうしているのかなと気になったのだ。

すぐに返信が来た。こういう人間関係にマメで礼儀正しく、人に尽くす性格なのはトミちゃんの好きなところのひとつだ。

トミちゃんは4月から大学に通うという。

語学系の大学だ。

トミちゃんは海外で日本語を教える教師になりたいらしい。

話を聞けば、ダブルスクールで資格の勉強もするらしい。

haa.athuman.com

↑おそらくここだと思う。

わたしなんかは「大変そう…」としか思えないんだけど、トミちゃんなら大丈夫な気がする。


久々に素直な気持ちで「頑張らなくちゃな~」という気になれた。

春が来ると元気になれる。