白と悪と東京

 

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東京は人が多い。

色んな人がいる。

色んな人がいると、色んなことがある。

それは仕方のないことなんだけど、なかなか気持ちの落としどころに困るような出来事だって起こる。

 

この間、電車が無くなってしまったのでタクシーに乗ろうということになった。

駅からちょっと離れたところだったけど、タクシー乗り場まで歩くのがしんどかったので、向こうから走ってきたタクシーを停めた。

それが失敗の始まり。

なんか普通のタクシーと違う…?と思いながら乗った。

なんとなく内装が普通のタクシーと違って普通の車っぽい。

行先を告げて走り出した。

運転手さんは普通っぽい。

ぼつぼつと雑談をしながら家路を走る。

と、突然車内が真っ赤になった。

パトランプに照らされたのだ。

窓の外では警官がスピーカー越しに何か言っている。

スピードを落として道の脇に停まる車。

えっ、この車!?

車が止まると後ろから警官が来た。

「すいませーん、降りてもらえます?」

何が何だかわからなかったけど、ウインカーのカッチッカッチって音がやけに大きく聞こえた。

車を降りると、運転手さんと警官が何やら話していた。

もう一人の警官に声をかけられた。

「お姉さんすいませーん、この車ってどこで乗りました?」

乗った場所を告げると警官が申し訳なさそうに、でもどこか事務的に言った。

「あー、このタクシー違法なんですよ、そういうわけで降りてもらわないといけなくて。すいませんけどちゃんとしたタクシー呼んで帰ってくれます?」

 

私の乗ったタクシーは違法だったのだ。

タクシーは営業許可を得た上で、それを証明するナンバープレートを付けてないといけないらしい。

普通の乗用車に付いている白いナンバープレートでタクシーとしてやっていくのは違法だということだ。

そんなこと初めて知った……。

世の中の人ってそういうことを当たり前に知ってるんだろうか…?

 

すごくへんぴな場所で降ろされたため、新しくちゃんとしたタクシーを探すのに1時間くらいかかってしまった。

知識のない自分にも、運転手にも、警官にも腹が立っていた。

けど、よく考えたらそういうものに乗って無事だったことを喜ぶべきなのかもしれない。

正しい知識が自分を守ることにつながるし、自分の身は自分で守るようにしたいと思っている。

まずは面倒くさがらずにちゃんと乗り場まで行って、優良なタクシーに乗るようにしたいと思う。

こういうのはちゃんと確認して覚えておいた方がいいな~と思った。